銀行に就職したけど、転勤って多いの?
銀行員と結婚することになったけど、転勤が多いって本当?
銀行の転勤の頻度や時期はどうなっているの?
これから銀行に勤める方や銀行員と結婚することになった方、銀行と取引されている事業者さん。
銀行員の転勤・異動について詳しく知っていますか?
こんにちは、銀行員15年目のt-郎(Twitterリンク)です。かく言う私も転勤経験者です。転勤回数はこの15年で4回。まあまあ慣れてきてベテランの領域に入ってきました。
今回、「銀行員の転勤・異動」について実体験も踏まえてその内情を詳しくお伝えしたいと思います。
この記事を読むことで、以下のようなメリットがあります。
・銀行における転勤や異動の時期や頻度がわかる
・転勤や異動に対する心構えができる
・自分や結婚相手のライフプランを考える上で参考になる
転勤は一般企業でも当然ありますが、銀行の一風変わった転勤事情について見ていきたいと思います。
銀行員の転勤・異動が多いのはなぜ?
銀行員の転勤・異動が多い理由は大きく3つあります。
転勤は不正を防止するため
転勤が多い一番の理由は「不正防止」のためです。
銀行は命の次に大事なお金を扱う会社。
高い規律が求められる一方で、ひとたび内部の人間が悪意をもってしまえば、横領や着服といった犯罪に直結します。
定期的な転勤をすることで不正の隠蔽を防ぐ目的があります。
また、不正には取引先との癒着もあります。
取引先と親密になることは必要ですが行き過ぎた関係は不正の温床になります。転勤はそうした関係を防ぐための手段でもあります。
近年はシステムやセキュリティの向上により、そもそも不正が起きにくい環境になりつつあるため、不正防止目的で転勤する意味合いは薄れつつあります。
出世やキャリアアップのため
銀行は部署や支店でのポジション、担当課によってその仕事内容が大きく変わります。
様々な経験を積むことでキャリアアップにつなげる目的の転勤があります。
出世においてもひとつの支店で主任→課長→次長→支店長と昇進するようなケースはほとんどなく、だいたいは出世とあわせて次の支店・部署に転勤します。
出世=転勤といっても過言ではありません。
番外編 銀行内のトラブルを解決するための転勤も
不正や出世だけでなく、人間関係やハラスメントが原因で転勤する場合もあります。
職場環境の改善や人間関係のトラブルを回避する意味合いもあります。
銀行員は結婚すると転勤になる?
銀行員=転勤族 結婚する時に知っておくべきこと
転勤先についていくとなると正社員は難しく、現在の仕事を辞めてパートや派遣社員として仕事を探さなくてはならないケースが多いです。
そのため、銀行員との結婚(もしくは銀行員同士の結婚)は、お互いの仕事やキャリアの継続に大きく影響します。
結婚のタイミングで転勤になることはある?
都市伝説のようにささやかれている、銀行員あるあるです。
結婚すると転勤になる、家を建てると転勤になる、などという話を聞きますが、
実際にその通りです。
私の同期で・・・海外へ
ただし、人事の恣意的なものではなく、あくまで運悪く転勤のタイミングと重なってしまっただけ(と信じたい)。
ちなみに私は結婚のタイミングで転勤はありませんでした。
銀行員の転勤・異動時期はいつ頃?
4月の転勤が最も大きい
一般的な企業の転勤だと4月と10月が多いかもしれませんが、銀行の場合は4月に加えて6月の転勤が大きい場合があります。
3月決算の発表に合わせて役員や支店長の異動発表がなされるからです。
人数も多いですし、同時に出世にも関わってくる銀行員の一大イベントです。この時期の銀行員は皆そわそわしていることでしょう。
転勤は「春・夏・秋・冬」の年4回ある銀行も
銀行によりますが、多いところだと年4回程度の転勤時期を設定しているところもあります。
その度に送別会・歓迎会が催されることもあり、銀行員は飲み会が多いといわれる理由のひとつになっているかもしれません。
発表~転勤までの期間がすごく短い
転勤の発表が出ると、次の職場への着任日が告げられます。
これがすごく短い。
早ければ1~2週間以内にいまの職場の引継ぎをして、次の職場に着任しなければなりません。
これも不正を防止する(不正をもみ消す猶予を与えない)観点からで銀行独特の風習かもしれません。
銀行員の転勤・異動の頻度は何年ごと?
3年で転勤することが最も多い
一般的には銀行員は3年をひとつの目安として転勤になります。
ただし、これも徐々に見直されています。
日本経済新聞 「地銀、地域密着へようやく営業改革 担当期間長く」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55873540Q0A220C2EE9000/
2019年の金融庁の監督指針の改定により「定期異動ルール」の廃止が謳われました。
早ければ1年~2年くらいで転勤することもある
銀行員は早ければ2年ほどで異動の辞令がでます。
新入社員の場合は成長の機会を与えるために特に早いケースがあります。
また、支店長も早ければ2年で転勤となる場合があります。
専門性が高い部署は転勤が少ない
定期的な転勤が宿命の銀行員ですが、一部例外もあります。
例えばシステム関連の部署や専門性の高いコンサル関連部署などは転勤による代替が効かないため、こうした定期異動ルールを適用しない銀行も多いです。
県外に転勤になった時の銀行員の生活
メガバンクだけでなく大手地銀も県外に店舗を構えているケースが多く、実際に県外(または自宅からは通えない距離)に転勤になった時の生活についても少しお伝えしたいと思います。
単身赴任で転勤した場合
多くの場合単身者用の社宅があてがわれます。
場合によっては食事付きの寮のような環境であるケースも多いですが、単に社宅だと自炊の必要性や家具家電といった追加の出費だけでなく、自宅へ帰るための交通費もかかります(一部補助が出る銀行もある)。
いわゆる二重生活となり、負担感は増えるといえるでしょう。
家族同伴で転勤した場合
家族用の社宅があてがわれることが多いです。
同じく家族で転勤してきた同僚と同じアパートやマンションで住むことになるので、奥さん同士や子ども同士の交流もあります。
経験上では割と一体感があって過ごしやすい環境だと思います。
銀行員の転勤のメリット
上司ガチャを何回も回せる
工事中……
異動先で挽回のチャンスがある
工事中……
まとめ 転勤・異動を前向きに捉えるためには
転勤が多かったり、その時期も読めず、次の職場に着任するまでのリードタイムが短かったりと負担感ばかりに目が行きがちです。
しかし、強制的に新しい環境、新しい人間関係に触れられるというのは、なかなか自力で変えようと思うと難しいので、逆に前向きに捉えてほしいと考えています。
また最近ではワークライフバランスや若手の離職防止のため、転勤先についてある程度融通が利くケースも増えています。
自身の希望する異動先(もしくは異動したくない先)について、上司や人事にきちんと伝えておくことも必要でしょう。